昨日の乗務で、交通の状況を無視した女性客の発言があったので、この機会に私の考えていることを記しておきます。その乗客はコンビニに寄る為に自車を停車させ、戻ってきて発進しようとしたら後方から車が続いてきました。それが途切れたところ、後方のT字路よりまた車が出てくるのが見えたので私は車を発進させませんでしたが、あろうことか「早く行ってよ! 入れちゃだめよ!」と言い放ったのです。

私はとっさに「後方から車を確認したので発進できませんでした、失礼しました」と言いましたが、この時本来我々はこう言えるようにすべきなのです。会計が済んだ後に(怒って乗り逃げを防止の為)「先程、すぐに発進させてと要望されましたが、交通状況により発進することは危険でした。お客様が危険な運転を要望することは事故防止の観点から問題がございますので、今後タクシーに乗車された時はそういった発言は一切控えて頂きますようお願いいたします」と。

我々タクシードライバーが、危険運転を要望した乗客に対し上記のように注意喚起をすることができれば、いずれ「タクシーに乗った時は、その運転操作に注文をつけるものではない」いう意識が客の中に浸透するかもしれません。そうなれば、我々運転手は乗客の無茶な要望に神経をすり減らすことも少なくなり、事故防止の点においても大変効果的であることは間違いありません。

今、タクシー会社は大手を中心として、新卒をはじめ若い世代の採用を強化しているようでが、今の若い世代は車に興味が無い者が多く、その為か運転技術も今の40~50代の運転手より全般的に劣ることが多いようです。特に日本交通・国際自動車の若い運転手は周りの流れに乗れない車が多いようで、これは会社で安全運転を教育されていることもあるでしょうが、自信が無い故におどおどして運転している為だということが想像できます。

そんな運転手に無茶な要望をするとどうなるかを想像すると、運転技術の未熟さにより、乗客の要望に応えていい状況か悪い状況かを判断できない可能性が高く、更に若い運転手にとって多くの乗客は年齢的にも目上の存在であることから、乗客の要望に無理に応えようとするかもしれません。そうなると事故の確率も上がってくるのではと私は感じております。

タクシー業界の今後の為にも、無茶な要望をした乗客に対しては今後一切差し控えて頂く旨を、運転手が毅然と伝えられる環境にしなくてはならないと思いますが、タクシー会社やタクシーセンターの職員や役員は、乗務経験が浅かったり無かったりする為に、乗務員の立場に立って考えることは難しいので、こういう発想はできないでしょう。唯一国際自動車だけは、運送約款の改定を行い大変評価できますが、この流れが業界全体に行きわたることを期待します。


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